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2014/10/20

新国立競技場の基本設計が終わらない原因についての考察Ⅱ

前回、新国立競技場の設計についてなぜか日本のトップがそろっているにもかかわらずなかなかなかなか前に進まない。という話をしました。

話をしてもなぜかなかなか進まないので仕方なく公式のモデル図を見てみたところ、ミヤモトちょっとした問題点を見つけたような気がしました。

 

今回は、その設計的な問題について

ぐぐっ

 

ぐーぐっ

 

ぐーぐるっ

突っ込んでみようと思います。

今回は100%マニアの話です。ごめん。

 

 

では改めて、問題のモデル図を見てみましょう。

Photo_15

 

この絵のMain archtruss)と書いてある主構造に注目してください。
メインアーチとうたってはいますが・・・

 

これ、アーチと言っていいの?なんというか、アーチ風味。

 

アーチというのは元々、組積造いわゆる石積建築のときに窓や入口を開けるための手法。

石というものは曲げや引っ張りは苦手なのですが、圧縮(圧力。押される力)には滅法強いんです。

この性質を利用して、落ちそうな石が隣り合った石を押し合うことで荷重を地面垂直方向に変えて自立させる、というテクニックなのです。

Photo_16

ところがこのザハ案のアーチ、アーチと書いてアーチでないのはライズ(高さ)が低いということによりますが、同時に、ライズが低いけど一応アーチなので、構造的に非常に不利なことが起きています。

それは、巨大なスラストの発生です。

スラストというのはなんというか、氷の上でスケート靴履いて外向きに股を広げたらどんどん脚が広がっていくじゃないですか。あの股が裂けていく力です。いや股が裂けていく力ではないけれど。

あれは荷重に対してライズが低い(=重さに対して脚が短い)為に、本来垂直方向に変えないといけない荷重が横方向に変えられてしまうことで発生する力なのです。

Photo_18

確かにサブのトラスが幾重にも設置され、それなりにスラストが分散するようになっているようですが、これじゃあメインアーチの脚端自体にかかるスラストはそこまで減少していないのではないでしょうか・・・

 

そこでミヤモト、検証のために簡単な実験を行いました。

ティッシュペーパーの箱を切って簡易国立屋根を作り、積雪を想定して荷重をかけてみます。

ぱっと見、自重は支えられるアーチになったように見えますが

Photo_19

 このざまです。これでは積雪に耐えるどころか人が掃除に上っただけで潰れてしまう。

そこで、ミヤモトなりにちょっと細工をしてみました。

Photo_20

 これはタイバーと言われる処理です。

このように、アーチをもたせるには、このスラストに耐えて股裂きにならないように端っこを拘束する必要があるのです。

これをザハ案にも取り入れられないだろうか。

公式に発表されている最新型の模型CGを拝借してみてみました。赤い部分がこのMain archtruss)です。

Photo_21

 

うわ!ダメだ!!これじゃタイバー入れられない!!

 

これわかりますかね?

タイバーを設置するはずのアーチの端っこよりも競技場は1フロア下(地下)にあるんです。

 

断面形状をわかりやすく模式化するとこう。

Photo_22

 

この状態で無理にタイバーを入れようとすると・・・

Photo_23

 

おーー

なんも見えねーww

ただの屋根つきの使えない橋ができたww。

 

一応上から見てみても

Photo_24

空間です。水平部材はない。

次の可能性として基礎梁でスラスト抵抗を負担させるのか?と考えたのですが、アーチ途中から地中に埋めていくと実質の橋のスパンが今まで以上に大きくなり600mを超えてきて、なんだか夢のような規模の基礎梁ができてしまうのでこれもアウト。


Photo_26

 

どうすんじゃい!

 

と思ったら、なんと構造モデル図の説明にとんでもないものが書いてありました。

20


左下、Thrust block foundation

スラスト止め基礎、ってとこでしょうか。

・・・何、この奇跡の部材・・・超怖いんですけど。

しかも垂直方向に打っている・・・

これだけのスパンの横力を非合理にも垂直方向に向かって引き抜きで対処しようというものらしいですが・・・

 

見てください。調べました。国立競技場周辺の地盤データです。

21


地下30mまでいっても全然岩盤とか出てこないんだけど・・・
地下50mとかまでアンカーするつもりなんだろうか。

そもそもが、Thrust block foundationというのは下図の赤丸部のようなものなの(図はエドモントンにあるスパン250mの橋です)

22

 

アーチのスラストを抑えるのが目的なので、当然軸力方向の圧縮と引っ張りに耐えるよう、斜めに打ち込まれているのが分かります。

新国立競技場の今の配置でそれやったら、超ヤバイんですけど。
なぜなら、すぐ近くに都営地下鉄大江戸線が通っているからなんです。

23


地下ホームがちょうど地下30mくらいだから斜めにアンカーするのはかなり危険だと思う。

というかそもそも地盤が、データ見る限りシルトから細砂とかだからまだういろうみたいな状態だと思うんですよね。

このアーチのライズとスパンと敷地断面を模式化してみるとこんな感じです。

24


ドンピシャで駅に当たるんじゃないでしょうか・・・

これじゃあミヤモト職場に行けない。

 

ソチ五輪のメインスタジアムが、同様に日本の巨大トラスアーチをかけていましたがそもそも大きさがザハ国立の半分くらいだからなあ・・・

しかもソチは地盤がいいのか地面に鉄板敷いて直接基礎打ちみたいなのやってましたが、あれ原発工事並みの物凄い鉄筋工事やっていますからね。

 

なんかまあ、こんなんじゃ確かにどこから手をつけていけばいいのかわからなくなる気持ちもわからないではないかな・・・

困るけど・・・

 

ま、ミヤモトがガチの専門家ではないゆえの杞憂であればいいのですが。

 

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コメント

お久ぶりですー!
ちと前に結婚して引っ越したせいでネット環境無くなっててコメント書けなかったよ(だってこのブログ、スマホからじゃ書き込めないもん…(ノ_≦。))とりあえず私は元気です(笑)またちょいちょい見に来るので更新してください(゚▽゚*)

投稿: かなえ | 2016/01/29 13:53

かなえ!

かなえ!!

結婚おめでとー!!
まあなんかそんな気も少ししてたけどww
まだ大分なのでしょうか。昔は東京進出計画を企てていたあのかなえが今や人妻・・・。
東京の兄さんは涙ぐましいぜ(キラっ

コレを機にまた更新頑張る(ようにする)ぜっ!


なんか連絡先とか教えられたらいいんだけどねー

投稿: ミヤモト | 2016/01/29 22:34

あとかなえ!

すごいもんみつけたぞ


http://heavy-local.cocolog-nifty.com/folder/2010/11/post-728e.html

投稿: ミヤモト | 2016/01/29 23:45

わー!ありがとう(◎´∀`)ノ
何だかんだでもうちょいで結婚三年目に入りますわ!
東京進出計画とかあったっけ??(笑)まだ大分!これからも大分!

結婚相手は残念ながら鎌倉さんじゃないw電気工事士してる年下男です(=´Д`=)ゞ
私またブログ始めたよ!http://blog.goo.ne.jp/suekanata0906

投稿: かなえ | 2016/01/30 00:52

私facebookしてないよー!
Instagram(ユーザーネーム: @kan.43)を使っています。アプリをインストールして写真や動画をチェックしてみてください。http://instagram.com/download/?r=2008114945
インスタグラムならかろうじてやってるo(*^▽^*)o

投稿: かなえ | 2016/02/01 15:57

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